クロールがまっすぐ泳げない理由は?左右に曲がる7つの原因と改善方法を水泳コーチが解説
「クロールをすると、いつの間にか右や左へ曲がってしまう」
「まっすぐ泳いでいるつもりなのに、コースロープへ近づいてしまう」
「25m泳げるようになってきたけれど、泳ぐ方向が安定しない」
クロールを練習している子どもによく見られる悩みの一つが、まっすぐ泳げないことです。
本人は正面へ向かって泳いでいるつもりでも、気づいたら右や左へ曲がっていることがあります。
このような場合、
「前を見ながら泳いだ方がいいのでは?」
と思うかもしれません。
しかし、クロールでは前を見すぎると頭が上がり、足が沈んでしまうことがあります。
実はクロールが曲がる原因は、進行方向を見ていないことだけではありません。
腕の入水位置、左右のストローク、息継ぎ、キック、体の姿勢などに左右差がある
ことで曲がっている可能性があります。
この記事では、水泳コーチの視点から、クロールがまっすぐ泳げない主な原因と、まっすぐ泳ぐためのコツ・練習方法を分かりやすく解説します。
クロールで左右に曲がるのはなぜ?
クロールでは、
右腕で水をかく
↓
左腕で水をかく
↓
バタ足をする
↓
息継ぎをする
という動作を繰り返しながら前へ進みます。
このとき左右の動きがほぼ同じであれば、体はまっすぐ進みやすくなります。
しかし、
右腕だけ外側へ入る
左腕だけ強く水をかく
息継ぎのときだけ体が大きく傾く
片脚だけ強くキックする
といった左右差があると、少しずつ進行方向が変わっていきます。
つまり、
「曲がること」自体ではなく、「なぜ左右差が生まれているのか」を見つけること
が改善のポイントです。
クロールがまっすぐ泳げない7つの原因
原因① 手の入水位置が左右にずれている
クロールで非常に重要なのが、手を水へ入れる位置です。
例えば右手を、
頭の正面
↓
さらに左側
へ入れてしまうと、腕が体の中心線を越えてしまいます。
このような泳ぎは「クロスオーバー」と呼ばれることがあります。
腕が内側へ入りすぎると体が左右にぶれ、まっすぐ進みにくくなります。
改善ポイント
右手は右肩の延長線上。
左手は左肩の延長線上。
というイメージで入水してみましょう。
「頭の前へ手を入れる」のではなく、「肩の前へ伸ばす」
と考えると分かりやすくなります。
原因② 片方の腕だけ外側へ広がっている
反対に、手が外側へ大きく広がりすぎる場合もあります。
例えば右腕だけ外側へ入水すると、右側のストロークと左側のストロークで水を押す方向が変わります。
その結果、体が少しずつ斜めへ進むことがあります。
特に子どもの場合、
「腕を大きく回そう」
と意識しすぎることで、手が外側へ広がることがあります。
大きく回すことよりも、毎回ほぼ同じ位置へ手を入れることを意識しましょう。
原因③ 左右で水をかく強さが違う
クロールでは左右交互に水をかきます。
このとき、
右腕はしっかり水を押せている
左腕は水を捉えられていない
という状態になると、左右で推進力に差が生まれます。
本人としては同じように腕を動かしていても、
- 得意な腕
- 苦手な腕
ができていることがあります。
特に利き手側だけ強く水をかいている子は少なくありません。
改善ポイント
左右それぞれで片手クロールを行い、
右腕だけで泳いだときと左腕だけで泳いだときの違い
を確認してみましょう。
苦手な側が分かりやすくなります。
原因④ 息継ぎで体が大きく横へずれている
「息継ぎなしならまっすぐ泳げるのに、呼吸をすると曲がる」
という場合は、息継ぎが原因かもしれません。
特に多いのが、
息継ぎをするときに顔を横ではなく斜め前へ持ち上げること
です。
頭が動く
↓
肩が動く
↓
体全体が横へずれる
↓
進行方向が変わる
ということがあります。
改善ポイント
息継ぎでは顔を大きく上げず、
体の回転に合わせて横を向く
ことを意識します。
呼吸したら、顔を元の位置へ戻すことも重要です。
原因⑤ 頭が左右に動いている
クロールでは手足だけでなく、頭の位置も重要です。
腕を回すたびに頭が、
右
↓
左
↓
右
↓
左
と動いていると、体全体も左右へぶれやすくなります。
頭は体の進行方向を安定させる重要な部分です。
改善ポイント
泳いでいるときは、
頭の位置をできるだけ一定に保つ
ことを意識しましょう。
視線は真下から少し前程度にします。
前方をずっと見続ける必要はありません。
原因⑥ キックに左右差がある
腕だけでなく、バタ足が原因で曲がる場合もあります。
例えば、
右脚だけ強く蹴る
片方の膝だけ大きく曲がる
脚が左右へ広がる
といった状態です。
クロールのバタ足は、前へ進む力だけでなく、体の姿勢を安定させる役割もあります。
キックの左右差が大きいと、泳ぎ全体がぶれやすくなります。
原因⑦ 体全体が左右に蛇行している
腕や脚だけではなく、体全体が左右へ大きく動いている場合があります。
例えば、
右腕を回す
↓
体が右へ動く
↓
左腕を回す
↓
体が左へ動く
という状態です。
クロールでは体を少し回転させながら泳ぎますが、横方向へ大きく動く必要はありません。
重要なのは、
「回転すること」と「左右へ蛇行すること」を分けること
です。
頭から足まで一本の軸があるイメージを持ちましょう。
クロールで片側だけに曲がる場合は?
「必ず右へ曲がる」
「毎回左のコースロープへ近づく」
という場合は、原因を見つけやすいことがあります。
例えば右へ曲がる場合、
- 左右の腕で水を押す力が違う
- 片方の手が内側へ入っている
- 息継ぎで体がずれている
- キックに左右差がある
などを確認します。
重要なのは、
「右へ曲がるから右側だけが悪い」とは限らない
ことです。
反対側のストロークが原因になっている可能性もあります。
実際の泳ぎを見ながら確認することが大切です。
息継ぎをすると曲がる場合は?
これは子どものクロールでよく見られるケースです。
息継ぎなしでは、
まっすぐ泳げる
↓
息継ぎ
↓
急に横へずれる
という場合です。
このときは、
- 顔を上げすぎていないか
- 顔を斜め前へ向けていないか
- 呼吸側の腕が外側へ広がっていないか
- 息継ぎに時間をかけすぎていないか
- 呼吸後に頭が中央へ戻っているか
を確認しましょう。
通常のクロールを何度も繰り返すより、息継ぎだけを分けて練習した方が改善しやすい場合があります。
クロールでまっすぐ泳ぐための5つのコツ
コツ① 肩の前へ手を入れる
手を頭の正面へ集める必要はありません。
右手なら右肩の前。
左手なら左肩の前。
というイメージです。
腕が体の中心線を越えないようにしましょう。
コツ② 頭の位置を安定させる
腕を動かしても、頭まで一緒に左右へ動かさないようにします。
「頭のてっぺんが進行方向へ引っ張られている」
ようなイメージを持つ方法もあります。
コツ③ 左右同じように水を押す
右腕だけ、左腕だけが強くならないようにします。
腕を速く回すことよりも、
左右それぞれで水を後ろへ押せているか
を確認しましょう。
コツ④ 息継ぎで顔を上げない
呼吸のたびに頭の位置が大きく変わると、進行方向も不安定になります。
顔を上へ持ち上げるのではなく、体の回転に合わせて横へ向けます。
コツ⑤ 体の中心に一本の線をイメージする
頭
↓
背中
↓
腰
↓
脚
まで一本の線があるイメージを持ちます。
腕や脚は動かしますが、体の中心はできるだけまっすぐ進ませます。
クロールをまっすぐ泳ぐためのおすすめ練習方法
練習① けのび
最初に確認したいのが「けのび」です。
壁を蹴り、
両腕を前へ伸ばす
↓
頭を腕の間に入れる
↓
真っ直ぐ進む
という基本練習です。
手足を動かしていない状態でも左右へ曲がる場合は、最初の姿勢そのものが曲がっている可能性があります。
まずは、けのびでまっすぐ進めるか確認しましょう。
練習② けのび+バタ足
けのびでまっすぐ進めたら、バタ足を加えます。
ここで曲がる場合は、キックの左右差が考えられます。
脚を大きく広げず、
小さくリズムよくバタ足する
ことを意識しましょう。
練習③ 片手クロール
片方の腕を前へ伸ばし、もう片方の腕だけで泳ぎます。
右腕だけ
↓
左腕だけ
と両方行ってみましょう。
左右で、
「進みやすさが違う」
「片方だけ曲がる」
という場合は、ストロークに左右差がある可能性があります。
練習④ 息継ぎなしのクロール
安全に無理なく泳げる短い距離で、息継ぎをせずにクロールをしてみます。
息継ぎなし
→まっすぐ
息継ぎあり
→曲がる
のであれば、呼吸動作に原因がある可能性が高くなります。
原因を切り分けるための練習として使えます。
練習⑤ ゆっくりクロール
速く泳ぐと、自分のフォームを確認しにくくなります。
あえてスピードを落として、
右手の位置
↓
左手の位置
↓
頭
↓
息継ぎ
↓
キック
を一つずつ確認します。
まっすぐ泳げない子ほど、速さよりフォームを優先しましょう。
前を見ながら泳げばまっすぐになる?
「進行方向を見れば曲がらないのでは?」
と思うかもしれません。
確かに前方を確認することで方向を修正することはできます。
しかし、初心者のクロールで常に前を見ながら泳ぐことはおすすめできません。
前を見る
↓
頭が上がる
↓
腰が沈む
↓
足が沈む
↓
水の抵抗が増える
ということがあるためです。
基本的には頭の位置を安定させ、視線は水中へ向けます。
そのうえで、腕や呼吸など曲がってしまう原因そのものを改善することが重要です。
クロールでまっすぐ泳げないと疲れやすくなる?
左右へ大きく蛇行すると、25mプールでも実際には25m以上の距離を泳ぐことになります。
さらに、
曲がる
↓
方向を修正する
↓
フォームが崩れる
↓
余計な力を使う
ということもあります。
そのため、
「25mまで体力が続かない」と思っていたら、泳ぎの左右差や蛇行が影響している
可能性もあります。
25m完泳を目指している場合は、距離だけでなく進行方向も確認してみましょう。
クロールでまっすぐ泳げないときに「もっと腕を回す」は逆効果?
曲がっていると、
「もっとしっかり腕を回して!」
と言いたくなるかもしれません。
しかし、原因が入水位置にある場合、速く腕を回すほどフォームが崩れる可能性があります。
例えば、右手が内側へ入りすぎている子が腕を速く回せば、
内側へ入る
↓
すぐ次のストローク
↓
また内側へ入る
と、同じ動作を繰り返してしまいます。
重要なのは回数ではなく、
正しい位置へ1回ずつ腕を入れること
です。
子どもに教えるときは一度に全部直さない
クロールが曲がっていると、
「手が内側!」
「頭動かさない!」
「バタ足!」
「息継ぎも!」
と、一度にたくさん伝えたくなります。
しかし、泳ぎながら複数のことを意識するのは簡単ではありません。
まずは、
「今日は手を肩の前に入れる」
だけ。
それができたら、
「次は頭を動かさない」
というように、一つずつ練習しましょう。
特に子どもの水泳では、
一つ直す
↓
泳いで確認する
↓
できたら次へ進む
という流れがおすすめです。
25m泳げるけれど左右に曲がる場合は?
すでに25m泳げている場合でも、まっすぐ泳げないのであればフォームを見直す価値があります。
25m完泳
↓
フォームを安定
↓
少ない力で進む
↓
さらに長い距離へ
というように、次のステップにつながるからです。
特に、
- 毎回同じ方向へ曲がる
- コースロープへ何度もぶつかる
- 左右で腕の動きが違う
- 息継ぎのたびに大きくずれる
場合は、左右差を確認してみましょう。
10m・15mまでは泳げるけれど25mまで届かない場合は?
まっすぐ泳げないことが、25m完泳を難しくしている場合もあります。
例えば、
泳ぎ始める
↓
少しずつ右へ曲がる
↓
修正する
↓
余計な力を使う
↓
息継ぎが乱れる
↓
途中で止まる
というケースです。
「体力がないから25m泳げない」と決めつけず、
- まっすぐ進めているか
- 左右の腕で同じように水を押せているか
- 息継ぎで横へずれていないか
- 足が沈んでいないか
など、フォーム全体を確認することが大切です。
何度練習してもクロールが曲がる場合は?
何度泳いでも同じ方向へ曲がる場合は、本人が気づいていないフォームの癖がある可能性があります。
水泳は自分の泳ぎを自分で見ることが難しいスポーツです。
本人は、
「まっすぐ手を伸ばしている」
と思っていても、実際には内側へ入っていることがあります。
このような場合は、
実際の泳ぎを第三者に確認してもらう
ことも一つの方法です。
原因が分かれば、通常のクロールを何度も繰り返すのではなく、その動作だけを集中して練習できます。
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一人ひとりの泳ぎを確認し、
- 手の入水位置
- 左右のストローク
- 頭の位置
- 息継ぎ
- キック
- 体の姿勢
- 泳ぐペース
などから、クロールでまっすぐ進みにくくなっている原因を確認します。
そして、
「とにかく25mを何度も泳ぐ」のではなく、「25mまで届かない原因を一つずつ改善する」
ことを大切にしています。
クロール・平泳ぎで夏休み中に25m完泳を目指したい方は、詳しい内容をご覧ください。
▼ 夏休み限定「25m完泳チャレンジ」
クロールがまっすぐ泳げないことについてよくある質問
Q.クロールで左右に曲がる一番多い原因は何ですか?
一つに決めることはできませんが、手の入水位置や左右のストローク、息継ぎなどに左右差があるケースが考えられます。
まずは、息継ぎなしでも曲がるのか確認すると原因を絞りやすくなります。
Q.クロールで右に曲がるのはなぜですか?
左右の腕で水を押す力が違う、片方の手が内側または外側へ入っている、息継ぎで体がずれている、キックに左右差があるなどが考えられます。
右へ曲がるからといって、必ず右腕だけが原因とは限りません。
Q.クロールで左に曲がる場合も原因は同じですか?
基本的な確認ポイントは同じです。
左右の入水位置、ストローク、キック、頭の動き、息継ぎを確認してみましょう。
Q.息継ぎをすると斜めに泳いでしまいます。どうすればいいですか?
息継ぎで顔を上げたり斜め前へ向けたりしていないか確認しましょう。
体の回転に合わせて横を向き、呼吸後は頭を元の位置へ戻します。
Q.前を見ながら泳げばまっすぐ泳げますか?
方向確認には役立ちますが、常に前を見ると頭が上がり、足が沈みやすくなる場合があります。
前を見ることで修正するだけではなく、曲がる原因となっているフォームを改善することが重要です。
Q.子どものクロールが曲がる場合、自宅でもできる練習はありますか?
陸上で両腕を前へ伸ばし、右手は右肩の前、左手は左肩の前へ伸ばす位置を確認することはできます。
ただし実際の水中では浮力や呼吸が加わるため、プールでの確認も必要です。
Q.クロールでまっすぐ泳げないと25m完泳にも影響しますか?
大きく蛇行している場合は、余計な距離を泳いだり方向修正に力を使ったりするため、影響する可能性があります。
25mまであと少しの場合は、体力だけでなくフォームも確認してみましょう。
まとめ|クロールがまっすぐ泳げないときは「左右差」を確認しよう
クロールでまっすぐ泳げない主な原因には、
- 手の入水位置がずれている
- 片方の腕が外側へ広がっている
- 左右で水をかく強さが違う
- 息継ぎで体が横へずれている
- 頭が左右に動いている
- キックに左右差がある
- 体全体が蛇行している
などがあります。
まっすぐ泳げないと、
「前を見ながら泳ごう」
と考えがちです。
しかし、それだけでは根本的な解決にならないことがあります。
重要なのは、
「どの動作で左右差が生まれているのか」
を確認することです。
まずは、
けのび
↓
けのび+バタ足
↓
片手クロール
↓
息継ぎなし
↓
通常のクロール
というように、動作を一つずつ増やしてみましょう。
「どの段階から曲がり始めるのか」が分かれば、原因も見つけやすくなります。
クロールは、力強く泳ぐだけではなく、頭から足までの軸を安定させ、左右の動きをそろえることが大切です。
まっすぐ効率よく進めるようになると、25m完泳だけでなく、その先の距離を楽に泳ぐことにもつながっていきます。
