平泳ぎキックのコツは?子どもでも分かる足の動かし方と練習方法を水泳コーチが解説
「平泳ぎのキックをしているのに前へ進まない」
「足をどう動かせばいいのか分からない」
「一生懸命蹴っているのに、その場でバタバタしてしまう」
平泳ぎを練習している子どもにとって、特につまずきやすいのが**キック(足の動き)**です。
クロールのバタ足は比較的シンプルですが、平泳ぎのキックでは、
引きつける
↓
足先を外へ向ける
↓
水を後ろへ押す
↓
足を閉じる
という複数の動きを組み合わせる必要があります。
そのため、足を一生懸命動かしていても、足先の向きや水を押す方向が少し違うだけで、思うように前へ進まないことがあります。
平泳ぎのキックで重要なのは、
「強く蹴ること」よりも「水を正しい方向へ押すこと」
です。
この記事では、水泳コーチの視点から、平泳ぎキックの基本的なやり方、子どもに多い失敗、上達するための練習方法まで分かりやすく解説します。
平泳ぎキックで大切なのは「水を後ろへ押す」こと
まず、平泳ぎキックの基本を理解しましょう。
前へ進みたいのであれば、水を後ろ方向へ押す必要があります。
ところが、平泳ぎが苦手な子では、
足を開く
↓
足を閉じる
という動きだけになっていることがあります。
これでは水が左右へ逃げてしまい、十分な推進力を作れません。
重要なのは、
足の裏側で水を捉えて、後ろへ押すこと。
「足を開いて閉じる」というより、
「水をつかんで後ろへ送る」
というイメージを持つと分かりやすくなります。
平泳ぎキックの基本的な4つの動き
平泳ぎのキックを大きく4段階に分けてみましょう。
① かかとをお尻へ引きつける
まず、キックの準備です。
膝を曲げながら、かかとをお尻側へ引きつけます。
ここで注意したいのが、
膝を前へ大きく引かないこと
です。
膝が体の下へ大きく出ると、水の抵抗が増えてしまいます。
「膝を引く」というより、
「かかとをお尻へ近づける」
という意識を持ちましょう。
② 足先を外側へ向ける
ここが平泳ぎキックで非常に重要なポイントです。
かかとを引きつけたら、足先を外側へ向けます。
クロールのバタ足では足首を伸ばしますが、平泳ぎでは足の裏側で水を押す必要があります。
足先が伸びたままだと、水を十分に捉えられません。
「かかとを引く」
↓
「つま先を外へ向ける」
という順番で確認してみましょう。
③ 水を後ろへ押す
足先を外へ向けたら、いよいよキックです。
ここで、
「足を横へ開く」
だけにならないように注意します。
意識するのは、
水を後ろへ押すこと。
足の裏から内側にかけて水を捉え、後ろへ押していきます。
水をしっかり押せると、体が前へスーッと進む感覚が出てきます。
④ 両足を閉じて伸びる
キックした後は両足を閉じます。
そして、すぐに次のキックを始めるのではなく、
体を真っ直ぐにして伸びる
時間を作ります。
平泳ぎでは、この「伸び」が非常に重要です。
キックで生まれた勢いを使って前へ進みましょう。
平泳ぎキックの覚え方は「引く・外・蹴る・閉じる」
子どもに細かい説明をしても、泳ぎながらすべてを意識するのは難しいものです。
そこで、
「引く・外・蹴る・閉じる」
という4つの言葉で覚えてみましょう。
引く
かかとをお尻へ。
↓
外
足先を外側へ。
↓
蹴る
水を後ろへ押す。
↓
閉じる
両足をそろえて伸びる。
最初はゆっくりで構いません。
正しい順番を体に覚えさせることを優先しましょう。
平泳ぎキックで進まない子に多い6つの原因
原因① 足先が伸びたままになっている
非常に多いケースです。
足首を伸ばした状態でキックすると、足の裏で水を捉えにくくなります。
クロールのバタ足に慣れている子ほど、この動きになることがあります。
改善ポイント
かかとを引いたときに、
「つま先を外へ向けられているか」
を確認しましょう。
原因② 膝を大きく開いている
平泳ぎというと、
「カエルのように大きく足を開く」
イメージを持っている子もいます。
しかし、膝を大きく横へ広げると、水の抵抗が増えます。
さらにキックも横方向になりやすく、前へ進む力が小さくなることがあります。
改善ポイント
膝を大きく開くのではなく、
かかとをお尻へ引く
ことを優先します。
原因③ 足を閉じるだけになっている
足を左右へ開き、そのまま勢いよく閉じるだけになっているケースです。
これでは水を左右へ押してしまい、前への推進力を作りにくくなります。
改善ポイント
「閉じる」より前に、
水を後ろへ押す
という動きを入れましょう。
原因④ キックが速すぎる
早く進もうとして、
引く
→
蹴る
→
引く
→
蹴る
を高速で繰り返す子もいます。
しかし、速く動かすと足先の向きを作る時間がなくなり、正しいキックができなくなることがあります。
改善ポイント
まずは、
ゆっくり正確に1回蹴る
ことから始めます。
原因⑤ 蹴ったあとにすぐ足を引いている
せっかくキックで前へ進んでいるのに、すぐ次のキックの準備をすると、再び水の抵抗が増えます。
改善ポイント
蹴る → 閉じる → スーッと進む
という時間を作りましょう。
原因⑥ あおり足になっている
平泳ぎで特につまずきやすいのが「あおり足」です。
足先を外へ向けられず、足の甲側で水を蹴るような動きになる状態です。
本人は正しいキックをしているつもりでも、自分の足は見えないため気づきにくいことがあります。
この場合は、泳ぎながら何度も練習するより、足の動きを一度分解して確認することが大切です。
平泳ぎの「あおり足」とは?
あおり足は、平泳ぎのキックで足首や足先をうまく使えず、ドルフィンキックのような動きになってしまう状態です。
本来の平泳ぎでは、
かかとを引く
↓
足先を外へ向ける
↓
足の裏側で水を押す
という動きをします。
しかし、あおり足では足先が伸びた状態になりやすく、水を十分に後ろへ押せません。
特に、
- クロールのバタ足に慣れている
- 足首の動きを理解できていない
- キックを速く行っている
といった場合に起こることがあります。
平泳ぎキックを上達させる5つの練習方法
練習① プールサイドで足の形を確認する
最初から泳ぎながら練習する必要はありません。
プールサイドに座り、
1.かかとを引く
2.つま先を外へ向ける
3.水を押すように脚を動かす
4.足を閉じる
という動きをゆっくり確認します。
自分の足を見ながらできるため、足先の向きを理解しやすい練習です。
練習② 壁につかまってキック
次は水の中で練習します。
プールの壁につかまり、体を浮かせた状態で平泳ぎキックを行います。
このときも速さは必要ありません。
「引く・外・蹴る・閉じる」
を一つずつ確認します。
練習③ 仰向けで平泳ぎキック
仰向けの姿勢で平泳ぎキックを行います。
仰向けになることで、自分の膝や足の動きを確認しやすくなります。
膝を大きく開いていないか確認する練習にもおすすめです。
安全を確保できる範囲で行いましょう。
練習④ ビート板でキックだけを行う
足の動きが分かってきたら、ビート板を使います。
ここで大切なのは、
キックの回数ではなく、1回のキックで進む距離
です。
例えば、
蹴る
↓
1・2
↓
蹴る
↓
1・2
と、キックの間に伸びる時間を入れてみましょう。
練習⑤ けのび+キック1回
壁を蹴ってけのびをします。
その後、平泳ぎキックを1回だけ行い、できるだけ長く伸びます。
この練習では、
「キックで進む感覚」
を確認できます。
1回のキックでほとんど進まない場合は、足先の向きや水を押す方向をもう一度確認しましょう。
平泳ぎキックは強く蹴った方がいい?
平泳ぎで進まないと、
「もっと強く蹴って!」
と言いたくなるかもしれません。
しかし、
強く蹴る=よく進む
とは限りません。
足先が正しく水を捉えていない状態で力だけ強くしても、エネルギーが横方向へ逃げてしまいます。
まずは、
正しい足の形
↓
正しい方向へ水を押す
↓
その後に力を加える
という順番がおすすめです。
平泳ぎキックで膝はどれくらい開く?
「膝を全く開かない」というわけではありません。
ただし、大きく横へ広げすぎないことが重要です。
特に注意したいのは、
膝より足先を外側へ向けること。
膝を大きく開いて足先が内側を向いていると、水をうまく捉えられません。
かかとを引いたときの、
- 膝
- かかと
- 足先
の位置関係を確認しましょう。
平泳ぎキックで足首がうまく動かない場合は?
平泳ぎでは、足首の使い方が重要です。
しかし子どもによっては、
「足先を外へ向けて」
と言われても、どのように動かせばいいか分からないことがあります。
この場合は水中だけで練習せず、陸上で足首を動かしてみましょう。
座った状態で、
つま先を伸ばす
↓
足首を曲げる
↓
つま先を外へ向ける
と、ゆっくり確認します。
無理に足首をひねる必要はありません。
痛みがある場合は練習を中止しましょう。
平泳ぎキックだけなら進むのに、泳ぐと進まない場合は?
ビート板キックでは進めるのに、通常の平泳ぎになると進まない場合があります。
この場合、キックそのものではなく、
手と足のタイミング
に原因がある可能性があります。
例えば、手をかくのと同時にキックすると、推進力を効率よく使えません。
基本的には、
手
↓
呼吸
↓
足
↓
伸び
という流れを意識します。
キックができるようになったら、次は手足のタイミングを練習しましょう。
平泳ぎキックで疲れる場合は?
平泳ぎキックで脚がすぐ疲れる場合は、
- 力を入れすぎている
- キックの回数が多すぎる
- 1回のキックで進めていない
- 膝を大きく開いている
などが考えられます。
平泳ぎでは、手足を動かし続ける必要はありません。
1回しっかり蹴ったら、
伸びて進む時間
を作ることが大切です。
平泳ぎで25m泳ぐためにキックはどれくらい重要?
平泳ぎ25mを目指す場合、キックは非常に重要です。
例えば、1回のキックで十分に進めないと、
キック回数が増える
↓
脚が疲れる
↓
フォームが崩れる
↓
さらに進まない
という状態になります。
反対に、1回のキックでしっかり進めれば、少ない動作でも距離を伸ばしやすくなります。
25mを目指す場合は、
「キックの回数を増やす」より「1回のキックの質を上げる」
ことを意識しましょう。
子どもに平泳ぎキックを教えるときのコツ
保護者の方が教える場合は、一度にすべてを説明しないことがポイントです。
例えば最初は、
「かかとをお尻へ近づけよう」
だけ。
できたら、
「次はつま先を外へ向けよう」
というように、一つずつ進めます。
また、
「もっと強く!」
「もっと大きく!」
という声かけだけでは、何を直せばよいか分かりません。
「足の裏で水を後ろに押してみよう」
など、具体的に伝えてみましょう。
平泳ぎキックが何度練習してもできない場合は?
平泳ぎのキックは、自分では確認しにくい動作です。
そのため、
「本人は正しく蹴っているつもり」
でも、実際には違う動きになっていることがあります。
特に、
- あおり足になっている
- 左右の足の動きが違う
- 足先を外へ向けられない
- キックしてもほとんど進まない
- 長期間同じところでつまずいている
場合は、一度コーチなどに実際の動きを確認してもらう方法もあります。
原因が分かれば、
何を直せばいいのか
も明確になります。
夏休みに平泳ぎ25m完泳を目指したい方へ
「平泳ぎのキックがうまくできない」
「一生懸命蹴っているのに前へ進まない」
「10m・15mは泳げるけれど、25mまで届かない」
そんなお子さまに向けて、日本水泳パーソナル専門店では、夏休み限定の**「25m完泳チャレンジ」**を実施しています。
一人ひとりの泳ぎを確認し、
- かかとの引きつけ
- 足先の向き
- 水を押す方向
- キック後の伸び
- 手足のタイミング
- 呼吸
などから、平泳ぎで25mまで届かない原因を分析します。
そして、
「たくさん泳ぐ」のではなく、「今できていない動作を集中的に練習する」
ことを大切にしています。
クロールだけでなく、平泳ぎ25m完泳を目指すお子さまも対象です。
夏休み中に平泳ぎ25mを目指したい方は、詳しい内容をご覧ください。
▼ 夏休み限定「25m完泳チャレンジ」
平泳ぎキックについてよくある質問
Q.平泳ぎキックの一番のコツは何ですか?
「足を強く動かす」より、足先を外へ向け、足の裏側で水を後ろへ押すことが重要です。
まずは正しい足の形を身につけましょう。
Q.平泳ぎで足をどう動かせばいいですか?
基本的には、
かかとを引く → 足先を外へ向ける → 水を後ろへ押す → 足を閉じる
という流れです。
最初はゆっくり行いましょう。
Q.平泳ぎキックで全然進まないのはなぜですか?
足先が伸びている、膝を開きすぎている、水を横へ押している、キック後に伸びていないなどの原因が考えられます。
Q.平泳ぎで「あおり足」になるのはなぜですか?
足先を外へ向ける動きがうまくできず、足の甲側で水を蹴るような動きになることがあります。
泳ぎながら直そうとせず、陸上や壁につかまった状態で足の形から確認することがおすすめです。
Q.平泳ぎキックは何回くらい練習すればできるようになりますか?
必要な練習量には個人差があります。
回数だけを増やすより、正しい動きになっているか確認しながら練習することが大切です。
Q.ビート板キックでは進むのに平泳ぎだと進まないのはなぜですか?
手と足のタイミングや呼吸、姿勢に原因がある可能性があります。
キックができたら、
「手 → 呼吸 → 足 → 伸び」
の流れを練習してみましょう。
まとめ|平泳ぎキックは「強さ」より「足の形と水を押す方向」が大切
平泳ぎキックの基本は、
かかとを引く
↓
足先を外へ向ける
↓
水を後ろへ押す
↓
両足を閉じる
↓
伸びる
という流れです。
うまく進まない場合は、
- 足先が伸びていないか
- 膝を開きすぎていないか
- 水を横へ押していないか
- あおり足になっていないか
- キック後すぐ次の動作を始めていないか
を確認してみましょう。
平泳ぎは、力任せに蹴るほど進む泳ぎではありません。
正しい足の形で水を捉え、後ろへ押し、その勢いで伸びること。
これが平泳ぎキック上達の大きなポイントです。
特に子どもの場合は、いきなり泳ぎ全体を完成させようとせず、
「引く・外・蹴る・閉じる」
の4段階に分けて練習してみましょう。
キックが安定すると、平泳ぎ全体の泳ぎやすさも大きく変わってきます。
