クロールで足が沈む原因は?子どもに多い5つの理由と改善する練習方法を解説

クロールで足が沈む原因は?子どもに多い5つの理由と改善する練習方法を解説

「クロールをすると、だんだん足が沈んでしまう」

「バタ足を頑張っているのに、なかなか前に進まない」

「息継ぎをすると一気に下半身が沈んでしまう」

クロールを練習している子どもによく見られる悩みの一つが、足や下半身が沈んでしまうことです。

足が沈むと水の抵抗が大きくなるため、一生懸命手足を動かしているのになかなか進まず、すぐに疲れてしまいます。

その結果、

「10mや15mまでは泳げるけれど、25mまで届かない」

という状態になることもあります。

そして、保護者の方からよく聞くのが、

「もっと強くバタ足をした方がいいですか?」

という質問です。

実は、クロールで足が沈む原因はキックの弱さだけではありません。

頭の位置や体の姿勢、息継ぎ、力の入り方など、さまざまな要素が関係しています。

この記事では、水泳コーチの視点から、クロールで足が沈む主な原因と、子どもでも取り組みやすい改善方法を詳しく解説します。


クロールで足が沈むとどうなる?

クロールでは、できるだけ頭から足までを水面に近い位置で保つことが大切です。

体が水平に近いほど水の抵抗が少なくなり、少ない力でも前へ進みやすくなります。

しかし、足が沈んで体が斜めになると、水を正面から受ける面積が増えてしまいます。

すると、

  • 前へ進みにくい
  • キックを頑張る必要がある
  • 体力を消耗する
  • 息継ぎが苦しくなる
  • 25mまで泳ぎ切れない

といった問題につながります。

そのため、

「足を沈ませないこと」は、クロール25m完泳を目指すうえでも重要なポイントです。


クロールで足が沈む5つの原因

足が沈んでいるからといって、必ずしも足そのものに原因があるわけではありません。

主に次の5つを確認してみましょう。


原因① 顔を前に上げすぎている

子どものクロールで非常に多い原因です。

泳いでいるときに、

「前が見たい」

「壁まであと何mか確認したい」

という気持ちから、顔を前へ上げてしまうことがあります。

しかし、水中では頭を持ち上げると、その反対側にある腰や足が沈みやすくなります。

目次

改善するポイント

クロールでは、基本的に水中の下方向を見るようにします。

真下から少し前を見る程度で十分です。

頭を無理に持ち上げず、水の中に自然に預ける感覚を身につけましょう。


原因② 息継ぎで顔を上げすぎている

「普段は足が沈まないのに、息継ぎをした瞬間だけ沈む」

という場合は、呼吸方法に原因がある可能性があります。

息を吸おうとして顔を上方向へ持ち上げると、頭が水面から大きく出ます。

その反動で下半身が沈みます。

さらに、足が沈んだ状態から元の姿勢に戻すために余計な体力を使うことになります。

息継ぎのポイント

息継ぎでは、

顔を「上げる」のではなく「横へ向ける」

ことを意識しましょう。

体の回転を利用して横を向き、口が水面から出る程度で呼吸します。


原因③ 体に力が入りすぎている

水泳では、頑張れば頑張るほど上手に浮けるわけではありません。

むしろ、

「沈まないようにしよう」

「もっと頑張って泳ごう」

と意識しすぎることで、肩や首、腰、脚に力が入り、体が硬くなってしまうことがあります。

体が硬くなると自然な浮力を利用しにくくなり、姿勢も崩れやすくなります。

特に水泳が苦手な子ほど、無意識に全身へ力を入れていることがあります。

改善するポイント

まずは泳ぐ前に、

  • 伏し浮き
  • けのび
  • 脱力して浮く練習

などを取り入れましょう。

「速く泳ぐ」よりも先に、力を抜いて水に浮く感覚を覚えることが大切です。


原因④ キックが膝から大きく曲がっている

クロールのバタ足で膝を大きく曲げてしまう子もいます。

自転車をこぐようなキックになってしまうと、水の抵抗が大きくなり、下半身が安定しにくくなります。

さらに、一生懸命キックしている割に前へ進まないため、疲れやすくなります。

正しいキックのイメージ

クロールのキックは、

股関節から脚全体を動かす

ことを意識します。

膝は自然に曲がる程度にし、小さくリズムよく動かしましょう。

「強く蹴る」よりも「姿勢を崩さないキック」を目指します。


原因⑤ 体幹が安定していない

クロールでは、頭から足までが一つの長い棒のように安定していることが理想です。

しかし、お腹や腰が落ちると、下半身も一緒に沈みやすくなります。

特に、

  • 息継ぎ
  • 腕を前へ伸ばす
  • 手で水をかく

といった動作のたびに体が大きく左右へ動いている場合は、姿勢が安定していない可能性があります。

改善するポイント

「お腹を固める」というより、

頭から足までを長く伸ばす

イメージを持ちましょう。

ストリームラインやけのびの練習で、真っ直ぐな姿勢を身につけることが効果的です。


「足が沈む=キックを強くする」は正しい?

必ずしも正しくありません。

もちろん、適切なキックは体の姿勢を保つうえで役立ちます。

しかし、

顔を上げすぎている

足が沈む

もっとキックする

疲れる

さらに姿勢が崩れる

という悪循環になっている子もいます。

この状態で「もっとバタ足!」と指導しても、根本的な原因は改善されません。

まずは、

「なぜ足が沈んでいるのか?」

を確認することが重要です。


クロールで足が沈む子におすすめの練習方法

ここからは、実際にプールでできる練習方法を紹介します。


練習① 伏し浮き

まずは、何もしなくても体を浮かせられるか確認します。

息を吸って顔を水につけ、両腕と両脚を伸ばして浮きます。

ポイントは、

頑張って浮こうとしないこと。

肩や首の力を抜き、水に体を預ける感覚を覚えましょう。


練習② けのび

壁を蹴り、両腕を真っ直ぐ前へ伸ばします。

このとき、

  • 腕で耳を挟む
  • 顔を水につける
  • 頭を上げない
  • 足を揃える

ことを意識します。

まずはキックをせず、どれくらい真っ直ぐ進めるか確認してみましょう。

けのびで足が大きく沈む場合は、クロール以前に基本姿勢を見直す必要があります。


練習③ 顔を水につけたバタ足

ビート板を使う場合も、できる範囲で顔を水につけてキックします。

顔をずっと前に上げた状態でバタ足をすると、足が沈みやすくなります。

顔を水につけ、

頭・腰・足をできるだけ水面に近づける

ことを意識しましょう。


練習④ 小さなバタ足

膝を大きく曲げる癖がある場合は、キックを小さくする練習をします。

水しぶきを大量に上げる必要はありません。

足先が水面付近で小さく動く程度から始めましょう。


練習⑤ 横向きの息継ぎ練習

息継ぎで足が沈む場合は、泳ぎながら何度も失敗するより、呼吸動作だけを分けて練習します。

壁やビート板を使い、

顔を水につける

水中で息を吐く

体を少し回す

顔を横へ向ける

息を吸う

という動きを確認します。

「顔を持ち上げないこと」がポイントです。


自宅でできる練習はある?

足が沈む原因によっては、プール以外でも練習できます。

ストリームラインの姿勢

立った状態で両腕を頭の上へ伸ばし、腕で耳を挟みます。

できるだけ体を細長くするイメージを持ちましょう。


息継ぎの顔の向きを確認する

鏡の前で、

「顔を上げる」のではなく「横へ向ける」

動きを確認します。

首だけを無理に回すのではなく、肩も少し一緒に動かすことがポイントです。


クロール25mまで届かない場合は「疲れない姿勢」が重要

10mや15mまでは泳げるのに、25mになると途中で止まってしまう。

この場合、

「体力がないから」

と思われることがあります。

しかし実際には、足が沈んで水の抵抗が増え、必要以上に体力を使っている可能性があります。

例えば、

足が沈む

水の抵抗が増える

強くキックする

疲れる

呼吸が乱れる

25mまで届かない

という流れです。

25m完泳を目指すのであれば、体力をつけるだけではなく、

「少ない力で進める姿勢」を身につけること

が重要です。


子どもに教えるときの注意点

クロールで足が沈んでいると、

「足を上げて!」

と言いたくなるかもしれません。

しかし、子どもにとって「泳ぎながら足を上げる」という動作は意外と難しいものです。

それよりも、

「下を見てみよう」

「頭を水に預けてみよう」

「バタ足を少し小さくしてみよう」

など、原因に合わせた具体的な声かけをする方が改善しやすくなります。

また、一度にすべてを直そうとせず、1回の練習で一つのポイントに集中することも大切です。


何度練習しても足が沈む場合は?

クロールは、

  • 頭の位置
  • 姿勢
  • キック
  • 腕の動き
  • 息継ぎ

がすべてつながっています。

そのため、自分では「キックが原因」と思っていても、実際には息継ぎが原因ということもあります。

何度練習しても改善しない場合は、一度泳ぎ全体をコーチなどに確認してもらい、原因を特定することをおすすめします。


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クロールで足が沈むことについてよくある質問

Q.クロールで足が沈むのは筋力不足ですか?

必ずしも筋力不足とは限りません。

頭の位置や息継ぎ、体の力み、キックの方法などが原因になっていることも多くあります。

まずは姿勢を確認してみましょう。


Q.足が沈むときはバタ足を強くした方がいいですか?

強くすれば必ず改善するわけではありません。

顔を上げすぎていることが原因の場合、キックを強くしても根本的な解決にはなりません。

原因を確認してから練習方法を決めることが大切です。


Q.息継ぎをすると足が沈むのはなぜですか?

顔を上へ持ち上げている可能性があります。

頭が持ち上がると、その反動で下半身が沈みやすくなります。

息継ぎでは顔を上げるのではなく、体の回転を使って横を向くことを意識しましょう。


Q.ビート板のバタ足でも足が沈みます。

ビート板を持った状態で顔を前へ上げ続けていると、足が沈みやすくなります。

可能であれば顔を水につけ、頭から足までを水平に近づける練習をしてみましょう。


Q.足が沈まなくなれば25m泳げるようになりますか?

足が沈むことが主な原因であれば、姿勢を改善することで泳ぎやすくなる可能性があります。

ただし、25m完泳には息継ぎや腕の動き、泳ぐペースなども関係するため、泳ぎ全体を確認することが大切です。


まとめ|クロールで足が沈むときは「足」だけを見ない

クロールで足が沈む主な原因は、

  • 顔を前に上げすぎている
  • 息継ぎで顔を持ち上げている
  • 全身に力が入りすぎている
  • 膝から大きくキックしている
  • 姿勢が安定していない

などです。

重要なのは、

「足が沈む=バタ足が弱い」と決めつけないこと。

足が沈む原因が頭や息継ぎにあることも珍しくありません。

まずは伏し浮きやけのびで基本姿勢を確認し、その後にキックや息継ぎを一つずつ見直してみましょう。

クロール25mを目指す場合も、速く泳ぐことより、

「沈まず、疲れず、少ない力で進める泳ぎ」

を身につけることが完泳への近道です。

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