水泳が上達しない理由は?子どもが伸び悩む7つの原因と上達するための練習方法を解説
「スイミングに通っているのに、なかなか上達しない」
「何か月も同じ級から進級できない」
「練習しているのに25mまで泳げるようにならない」
子どもが一生懸命水泳を続けているのに変化が見えないと、保護者の方も心配になるのではないでしょうか。
「運動神経が悪いのかな?」
「練習回数を増やした方がいい?」
「スクールを変えた方がいい?」
と悩むこともあると思います。
しかし、水泳が上達しない理由は、単純な運動能力や練習量だけとは限りません。
実際には、
今つまずいている原因と、行っている練習が合っていない
こともあります。
水泳は、呼吸・姿勢・キック・腕の動きなど、複数の技術を組み合わせるスポーツです。
どこか一つにつまずきがあるだけでも、その先へ進みにくくなることがあります。
この記事では、水泳コーチの視点から、子どもの水泳が上達しない主な理由と、伸び悩んだときに見直したいポイントを詳しく解説します。
水泳が上達しない=運動神経が悪いわけではない
まず知っておきたいのは、
「水泳が上達しない=運動神経が悪い」とは限らない
ということです。
水泳は陸上のスポーツとは環境が大きく異なります。
水中では、
- 浮く
- 呼吸する
- 姿勢を保つ
- 腕を動かす
- 脚を動かす
- 水を捉える
といった複数の動作を組み合わせます。
走ることや球技が得意でも、水泳では苦戦する子もいます。
反対に、陸上のスポーツが得意ではなくても、水泳ではスムーズに上達する子もいます。
そのため、なかなか上達しないからといって、本人の運動能力だけを原因にする必要はありません。
重要なのは、
「今、どこでつまずいているのか?」
を確認することです。
子どもの水泳が上達しない7つの理由
理由① 基礎が身につく前に次の動作へ進んでいる
水泳には順番があります。
例えばクロールの場合、
水慣れ
↓
浮く
↓
けのび
↓
バタ足
↓
腕の動き
↓
呼吸
↓
クロール
というように、基本動作を組み合わせていきます。
ところが、浮く姿勢が安定していない状態でクロールを練習すると、
足が沈む
↓
強くバタ足する
↓
疲れる
↓
息継ぎが苦しくなる
という問題が起こることがあります。
うまくいかないときほど、先へ進むのではなく、一つ前の基本動作へ戻ることが上達への近道になる場合があります。
理由② 同じ練習を繰り返している
「泳げるようになるには、とにかく何度も泳ぐことが大切」
と思われるかもしれません。
もちろん反復練習は必要です。
しかし、間違った動きを繰り返してしまうと、その動き自体が癖になることがあります。
例えば、
息継ぎで顔を上げる
↓
足が沈む
↓
15mで疲れる
という子が、毎回25mに挑戦しても同じところで止まってしまう可能性があります。
必要なのは、
「もっと泳ぐこと」ではなく「原因となっている動作を直すこと」
かもしれません。
理由③ 一度にたくさんのことを直そうとしている
水泳では、
「頭を下げて」
「腕を伸ばして」
「バタ足して」
「息を吐いて」
「もっと横を向いて」
など、修正できるポイントがたくさんあります。
しかし、子どもが泳ぎながらすべてを同時に意識するのは簡単ではありません。
特に初心者の場合、指示が増えるほど混乱してしまうことがあります。
上達するためのポイント
1回の練習では、
意識するポイントを1〜2個に絞る
ことがおすすめです。
例えば今日は「息を水中で吐く」。
次は「息継ぎで顔を上げない」。
というように、一つずつ改善していきましょう。
理由④ 苦手な原因に合った練習ができていない
同じ「クロール25mが泳げない」という状態でも、原因は子どもによって異なります。
例えば、
A君:息継ぎができない
B君:足が沈む
C君:キックを頑張りすぎて疲れる
D君:最初から速く泳ぎすぎる
ということがあります。
全員が25m泳げないという結果は同じでも、必要な練習は違います。
水泳がなかなか上達しない場合は、
「できないこと」ではなく「できない原因」を探すこと
が大切です。
理由⑤ 練習の間隔が空きすぎている
水泳は「感覚」が重要なスポーツです。
特に新しい動作を覚えている途中では、練習の間隔が大きく空くと、前回覚えた感覚を忘れてしまうことがあります。
例えば、
1回目で息継ぎの動きを覚える
↓
長期間プールへ行かない
↓
次回また思い出すところから始める
となると、定着まで時間がかかります。
短期間で新しい動作を覚えたい場合は、ある程度継続して水に入ることも大切です。
理由⑥ 子どもが練習の目的を理解していない
コーチや保護者から、
「これをやって」
と言われた練習を、そのまま行っているだけになっていることもあります。
例えば「けのび」の練習でも、
「なんでこれをやるの?」
と思いながら練習するのと、
「体を真っ直ぐにして、水の抵抗を減らすため」
と理解して行うのでは、意識が変わります。
子どもにも分かる言葉で、
「この練習は何のためにやるのか」
を伝えることが重要です。
理由⑦ 「できない」という意識が強くなっている
長期間同じところでつまずくと、
「自分は水泳が苦手」
「どうせできない」
と思ってしまう子もいます。
すると、新しいことへ挑戦すること自体が怖くなる場合があります。
水泳では、
25m泳げた
という大きな結果だけではなく、
「前より長く顔をつけられた」
「息継ぎが1回できた」
「10mだったのが12mまで泳げた」
など、小さな変化も大切です。
成功体験を積み重ねることも上達の一部と考えましょう。
スイミングスクールに通っているのに上達しないのはなぜ?
「何年もスイミングスクールに通っているのに上達しない」
という悩みもあります。
まず、スクールに長く通っていること自体が問題というわけではありません。
スイミングスクールには、
- 継続的に練習できる
- 基礎から段階的に学べる
- 友達と一緒に練習できる
- 進級という目標を持てる
など、多くのメリットがあります。
一方、グループレッスンでは複数の子どもを同時に指導します。
そのため、一人のお子さまが特定の動作でつまずいていても、その部分だけに長い時間を使うことが難しい場合があります。
例えば、
「クロールの息継ぎだけできない」
という場合です。
クラス全体では次の練習へ進む必要があるため、その子だけ息継ぎを長時間練習することは難しいケースがあります。
このような場合は、
スクールを辞める
↓
別のスクールへ行く
とすぐに判断するのではなく、
苦手な部分だけ別で練習する
という方法もあります。
スイミングで進級できないときはどうすればいい?
何か月も同じ級から進級できない場合、まず確認したいのは、
「何ができれば合格なのか?」
です。
可能であればコーチに、
「あとどこができれば次の級へ進めますか?」
と聞いてみましょう。
例えば、
「息継ぎで顔が前を向いてしまう」
と分かれば、練習すべき内容が明確になります。
ただ「もっと頑張ろう」ではなく、
課題を具体的な動作まで細分化すること
が重要です。
水泳が上達する子に共通するポイント
上達のスピードには個人差がありますが、練習がうまく進んでいる子にはいくつか共通点があります。
① 一つずつ課題を練習している
すべてを一度に直そうとせず、一つの動作に集中します。
② 「できたこと」を確認している
できなかった部分だけでなく、改善した部分も確認します。
③ 基本動作を大切にしている
泳法だけでなく、浮く・けのび・呼吸なども繰り返します。
④ 目的を理解して練習している
「何のための練習なのか」を理解しています。
⑤ 定期的に水に入っている
新しい動作を覚えている時期は、ある程度継続して練習しています。
水泳が上達しないときにおすすめの5ステップ
STEP1|現在どこまでできるか確認する
まずは、
「25m泳げない」
という大きな結果だけを見ないことです。
例えばクロールなら、
- 顔を水につけられる
- けのびができる
- バタ足で進める
- 腕を回せる
- 息継ぎができる
- 10m泳げる
というように分けます。
STEP2|一番大きな原因を一つ見つける
次に、
「今、一番距離を伸ばす邪魔をしているのは何か?」
を考えます。
息継ぎなのか。
姿勢なのか。
キックなのか。
原因を一つに絞ります。
STEP3|泳ぎ全体から切り離して練習する
息継ぎが原因なら、25mクロールを何度も泳ぐのではなく、息継ぎだけを練習します。
平泳ぎのキックが原因なら、ビート板を使ってキックだけを練習します。
苦手な動作を分けることで、意識しやすくなります。
STEP4|もう一度泳ぎ全体へ戻す
部分練習ができたら、通常の泳ぎへ戻します。
ここで、
「さっき練習した動作ができているか」
を確認します。
STEP5|距離を少しずつ伸ばす
フォームが安定したら、
5m
↓
10m
↓
15m
↓
20m
↓
25m
と徐々に距離を伸ばします。
いきなり25mを何本も泳ぐ必要はありません。
水泳はどれくらいで上達する?
これは保護者の方からよくいただく質問ですが、
「○か月あれば必ず泳げる」と一概には言えません。
現在の泳力や目標によって大きく異なります。
例えば、
「クロール15mまで泳げて息継ぎだけが課題」
という子と、
「顔を水につけることが怖い」
という子では、必要な練習も期間も違います。
そのため、周りの子と比較するより、
「前回より何ができるようになったか」
を見ることが大切です。
練習量を増やせば水泳は上達する?
練習量は大切です。
しかし、
練習量 × 練習内容
の両方を考える必要があります。
間違ったフォームで100回繰り返すよりも、
原因を確認
↓
正しい動きを練習
↓
泳いで確認
↓
修正
という流れで練習した方が、効率よく上達できる場合があります。
「なかなか上達しないから練習回数を増やそう」
と考える前に、今の練習内容が課題に合っているか確認してみましょう。
水泳が上達しないとき、親ができること
保護者の方にできることは、泳ぎ方をすべて教えることだけではありません。
むしろ、
- 周りの子と比較しない
- 小さな成長を見つける
- できない理由を一緒に考える
- 無理に25mを泳がせない
- 水泳を嫌いにさせない
ことも大切です。
例えば、
「まだ25m泳げないね」
ではなく、
「前より息継ぎが上手になったね」
という声かけだけでも、本人の受け取り方は変わります。
スクールを変えた方がいいのはどんなとき?
上達しないからといって、すぐにスクールを変える必要はありません。
まずは現在のコーチに課題を確認してみましょう。
そのうえで、
- 長期間同じ課題で止まっている
- 本人がレッスンを嫌がっている
- 目標と指導内容が合っていない
- クラスのレベルが本人に合っていない
- 課題を個別に練習する時間が必要
と感じる場合は、クラス変更や別のスクール、個人レッスンなどを検討してもよいでしょう。
個人レッスンなら水泳は上達する?
個人レッスンを受ければ、必ず短期間で上達するというわけではありません。
しかし、
「特定の課題で長期間つまずいている子」
とは相性が良い場合があります。
個人レッスンでは、
泳ぎを確認
↓
原因を特定
↓
必要な練習
↓
再び泳ぐ
↓
修正
というサイクルを一人のお子さまに合わせて行いやすいからです。
普段はスイミングスクールへ通いながら、苦手な部分だけ個人レッスンで練習する方法もあります。
25mまであと少しなのに上達しない場合は?
10m、15m、20m程度まで泳げている場合、
「泳げない」というより、
25mを泳ぐための最後の課題が残っている
可能性があります。
クロールなら、
- 息継ぎ
- 足が沈む
- キックを頑張りすぎる
- 最初から速く泳ぎすぎる
- 水中で息を止めている
などを確認してみましょう。
平泳ぎなら、
- キックで水を押せていない
- 手足のタイミングが合っていない
- キック後の伸びがない
などが考えられます。
原因が一つ改善するだけで、距離が大きく伸びるケースもあります。
夏休みに25m完泳を目指したい方へ
「スイミングに通っているけれど、なかなか25mまで届かない」
「毎回同じところで止まってしまう」
「夏休みの間に苦手を克服したい」
そんなお子さまに向けて、日本水泳パーソナル専門店では、夏休み限定の**「25m完泳チャレンジ」**を実施しています。
一人ひとりの泳ぎを確認し、
- 呼吸
- 息継ぎ
- 姿勢
- キック
- 腕の動き
- 手足のタイミング
- 泳ぐペース
などから、上達を妨げている原因を分析します。
そして、
「とにかくたくさん泳ぐ」のではなく、「今その子に必要な練習をする」
ことを大切にしています。
クロール・平泳ぎで夏休み中に25m完泳を目指したい方は、詳しい内容をご覧ください。
▼ 夏休み限定「25m完泳チャレンジ」
水泳が上達しないことについてよくある質問
Q.スイミングに何年通っても上達しないことはありますか?
上達のスピードには個人差があります。
また、特定の動作でつまずいていると、その部分が原因で長期間進級できないこともあります。
まずは現在の課題を具体的に確認してみましょう。
Q.週1回のスイミングでも上達しますか?
週1回でも継続的に練習することで上達を目指せます。
ただし、短期間で新しい動作を身につけたい場合は、練習頻度や練習内容も影響します。
回数だけではなく、その子の目標から考えることが大切です。
Q.水泳が上達しないのは運動神経が悪いからですか?
必ずしもそうではありません。
水泳では、水への慣れや呼吸、浮く感覚、姿勢など、水中ならではの技術が必要です。
他のスポーツが得意でも水泳に時間がかかる子はいます。
Q.進級できないときはスクールを変えた方がいいですか?
すぐに変える必要はありません。
まずは現在のコーチに、進級するために何が足りないのか確認してみましょう。
課題が明確であれば、その部分を重点的に練習する方法もあります。
Q.水泳を早く上達させる方法はありますか?
「とにかくたくさん泳ぐ」よりも、
現在の課題を特定し、その動作を集中的に練習すること
が重要です。
基本動作を一つずつ身につけ、それを泳ぎ全体へつなげていきましょう。
Q.25m泳げるようになるには何を練習すればいいですか?
現在どこまで泳げるかによって異なります。
クロールなら息継ぎや姿勢、キック、泳ぐペースなど、平泳ぎならキックや手足のタイミング、伸びなどを確認しましょう。
「25m泳ぐ練習」ではなく、25mまで届かない原因を練習することがポイントです。
まとめ|水泳が上達しないときは「もっと練習する」前に原因を見つけよう
子どもの水泳が上達しない理由には、
- 基礎が十分に身についていない
- 同じ練習を繰り返している
- 一度にたくさん直そうとしている
- 苦手な原因に合った練習ができていない
- 練習間隔が空いている
- 練習の目的を理解していない
- 「自分はできない」という意識が強くなっている
などがあります。
水泳では、
「できないから、もっと練習する」
だけではなく、
「なぜできないのかを確認して、その原因を練習する」
ことが重要です。
特に何か月も同じところでつまずいている場合は、一度立ち止まって現在の泳ぎを確認してみましょう。
10mしか泳げなかった子が15m泳げるようになった。
息継ぎが1回できるようになった。
平泳ぎのキックで少し進めるようになった。
こうした一つひとつの変化も、確実な上達です。
周りと比べるのではなく、
「昨日の自分より何ができるようになったか」
を積み重ねていくことが、水泳上達への近道です。
