集団レッスンが苦手な子への対応は?スイミングスクールが合わない原因と選択肢を解説
「スイミングスクールに通わせたけれど、集団レッスンになじめない」
「順番を待っている時間に集中力が切れてしまう」
「周りの子がいると、コーチに質問できない」
水泳を習わせたいと思っていても、集団で行うスイミングスクールが苦手なお子さまもいます。
そんな様子を見ると、
「そのうち慣れるまで続けた方がいい?」
「スクールを変えた方がいい?」
「そもそも水泳が向いていないのかな?」
と悩む保護者の方もいるのではないでしょうか。
しかし、
「集団レッスンが苦手=水泳が苦手」ではありません。
練習環境や指導方法を変えるだけで、楽しみながら上達できるようになる子もいます。
大切なのは、無理に集団へ合わせることではなく、
「なぜ集団レッスンが苦手なのか?」
を確認することです。
この記事では、水泳コーチの視点から、集団レッスンが苦手な子に考えられる原因や保護者ができる対応、スイミングスクール以外の選択肢について詳しく解説します。
集団レッスンが苦手=水泳が嫌いとは限らない
まず知っておきたいのは、
水泳そのものが嫌いなのか、集団で練習する環境が苦手なのかは別の問題
ということです。
例えば、
家族とプールへ行くのは好き
↓
スイミングスクールへ行くと嫌がる
という場合があります。
このようなケースでは、水が嫌いなのではなく、
- 人数が多い
- 順番待ちが長い
- 周りのペースについていけない
- コーチへ質問しにくい
- 練習内容が理解できない
といった環境に原因がある可能性があります。
「スイミングを嫌がるから水泳が嫌い」とすぐに判断せず、まずは何を嫌がっているのか確認してみましょう。
子どもが集団レッスンを苦手に感じる7つの理由
理由① 周りのペースについていけない
集団レッスンでは、基本的にクラス全体で練習が進みます。
しかし、子どもによって理解するスピードや上達するペースは違います。
例えば、
コーチから説明
↓
周りの子はすぐスタート
↓
本人はまだ理解できていない
↓
そのまま自分の順番になる
ということがあります。
すると、
「何をすればいいのか分からない」
という状態のまま練習することになります。
これが繰り返されると、レッスンそのものを苦手に感じることがあります。
理由② 待ち時間で集中力が切れてしまう
グループレッスンでは、人数によって順番待ちが発生します。
泳ぐ
↓
列に並ぶ
↓
待つ
↓
もう一度泳ぐ
という流れになります。
この待ち時間が苦手な子もいます。
最初は集中していても、待っているうちに別のことが気になり、次の順番になったときにはコーチから言われたことを忘れてしまうこともあります。
この場合、本人のやる気だけの問題ではなく、練習環境との相性も考える必要があります。
理由③ 周りと比べて自信をなくしている
集団レッスンでは、同じクラスの子が自然と目に入ります。
「自分より後から入った子が先に進級した」
「自分だけ25m泳げない」
「みんなはできているのに自分だけできない」
と感じることがあります。
特に長期間同じ級で止まっている場合、
「自分は水泳が苦手なんだ」
と思い込んでしまうこともあります。
理由④ 分からなくても質問できない
集団の中で、
「分かりません」
と言うことが苦手な子もいます。
コーチの説明を理解できていなくても、
周りが始める
↓
自分も同じようにやる
↓
うまくできない
↓
注意される
という状態になってしまうことがあります。
マンツーマンならすぐに聞ける子でも、周囲に他の子がいると質問できないケースは珍しくありません。
理由⑤ コーチからのアドバイスを理解しきれない
例えば、
「もう少しローリングして」
「ストリームラインを意識して」
と説明されても、子どもにはイメージしにくい場合があります。
集団レッスンでは一人ずつ説明方法を大きく変えることが難しい場合もあります。
同じことを伝える場合でも、
「おへそを少し横に向けてみよう」
「腕で耳を挟んで細長くなってみよう」
など、その子が理解しやすい表現に変えることで、急にできるようになることがあります。
理由⑥ 失敗を見られることが恥ずかしい
特に学年が上がってくると、
「泳げないところを見られたくない」
という気持ちが強くなる子もいます。
例えば、
周りの子はクロール25m
↓
自分は10mで止まる
↓
みんなに見られている気がする
↓
練習したくなくなる
ということがあります。
本人が水泳を嫌がっているように見えても、実際には失敗することへの恥ずかしさが原因かもしれません。
理由⑦ 練習内容が現在の泳力に合っていない
同じ級にいても、子どもによって苦手な部分は違います。
例えばクロール25mを目指すクラスでも、
A君:息継ぎが苦手
B君:足が沈む
C君:バタ足で疲れる
D君:腕の動きが苦手
ということがあります。
全員が同じ練習を行った場合、自分の課題に合った練習時間が十分に取れないことがあります。
その結果、
「練習しているのに上達しない」
と感じることがあります。
集団レッスンが苦手な子に親ができること
① まず「何が嫌なのか」を聞く
最初に、
「なんでスイミング嫌なの?」
と責めるように聞くのではなく、
「スイミングで一番困るのはどんなとき?」
「泳ぐのと待っているの、どっちが大変?」
など、具体的に聞いてみましょう。
本人の答えによって、必要な対応は変わります。
② 水泳そのものが嫌なのか確認する
家族とプールへ行ったときは楽しそうなのか。
水遊びは好きなのか。
泳ぐこと自体を嫌がるのか。
ここを確認します。
水泳自体は好きなのであれば、スクールやレッスン形式を変えることで改善する可能性があります。
③ コーチに相談する
すぐにスクールを辞める前に、現在の担当コーチへ相談してみることもおすすめです。
例えば、
「集団だと質問できないようです」
「待っている時間に集中が切れてしまうようです」
「何ができれば次の級へ進めますか?」
など、具体的に伝えます。
コーチ側も状況を把握できれば、声かけや練習位置などを工夫できる場合があります。
④ クラスの人数や時間帯を変える
同じスクールでも、曜日や時間によって人数が違う場合があります。
人数の少ないクラスへ変更するだけで、落ち着いて練習できるようになるケースもあります。
スクールへ、
「比較的人数が少ない曜日や時間はありますか?」
と確認してみるのも一つの方法です。
⑤ 小さな成功体験を作る
集団の中で失敗が続いている子には、
「できた」
という経験を作ることが重要です。
例えば、
5m泳げた
↓
10m泳げた
↓
息継ぎが1回できた
↓
15m泳げた
というように、目標を細かく設定します。
「まだ25m泳げない」ではなく、
「前回より何ができるようになったか」
を確認しましょう。
無理に集団レッスンへ慣れさせた方がいい?
「社会に出れば集団行動も必要だから、慣れさせた方がいい」
と考える方もいるかもしれません。
もちろん、集団で活動する経験には意味があります。
しかし、水泳を習う主な目的が、
「泳げるようになること」
なのであれば、
水泳の上達と集団行動の練習を必ず同時に行う必要はありません。
まず少人数や個人レッスンで泳ぎに自信をつける。
その後、集団レッスンへ戻る。
という方法もあります。
「集団か個人か」を固定的に考える必要はありません。
集団レッスンが苦手ならスイミングスクールを辞めるべき?
すぐに辞める必要はありません。
まずは、
- 本人が何を嫌がっているか
- クラス変更ができるか
- 人数の少ない時間帯があるか
- コーチを変更できるか
- 現在の課題を個別に練習できるか
を確認してみましょう。
環境を少し変えるだけで、続けられる場合もあります。
一方で、毎回強く嫌がっている状態を長期間続けると、
「水泳=嫌なもの」
という印象が強くなる可能性もあります。
本人の様子を見ながら判断することが大切です。
集団レッスン以外にはどんな選択肢がある?
スイミングスクール以外にも、水泳を習う方法はあります。
少人数レッスン
マンツーマンではなく、2〜数名程度で行う形式です。
集団の楽しさを残しながら、一人ひとりを見てもらいやすいというメリットがあります。
短期水泳教室
夏休みや春休みなどに行われる短期間のレッスンです。
普段とは違う環境で練習することで、きっかけを作れる場合があります。
水泳の個人レッスン
コーチと1対1を中心に行う方法です。
一人のお子さまに合わせて練習できるため、
- 集団だと質問できない
- 自分のペースで練習したい
- 特定の苦手を克服したい
- 25mまであと少し
- 短期間で上達したい
といった場合に向いています。
個人レッスンが向いているのはどんな子?
特に、
「水泳そのものは嫌いではないけれど、集団だとうまく練習できない」
という子とは相性が良い場合があります。
マンツーマンであれば、
泳ぐ
↓
その場でアドバイス
↓
もう一度泳ぐ
↓
修正
という流れを繰り返しやすくなります。
また、説明が分からなければ、その子が理解しやすい言葉へ変えることもできます。
ただし、
個人レッスンなら必ず合うというわけではありません。
コーチとの相性も重要です。
スイミングスクールと個人レッスンは併用できる
「個人レッスンを利用するなら、スイミングスクールを辞めなければいけない」
ということはありません。
例えば、
普段はスイミングスクール
↓
クロールの息継ぎで進級できない
↓
個人レッスンで息継ぎだけ練習
↓
スクールへ戻って継続
という使い方もできます。
集団レッスンには、
- 継続しやすい
- 友達と練習できる
- 四泳法を段階的に学べる
というメリットがあります。
一方、個人レッスンには、
- 苦手へ集中できる
- 自分のペースで練習できる
- 質問しやすい
というメリットがあります。
それぞれの良さを組み合わせる方法も選択肢の一つです。
「集団が苦手だから」と子どもの可能性を決めつけない
集団レッスンでなかなか上達できないと、
「この子は水泳に向いていないのかも」
と思ってしまうことがあります。
しかし、環境を変えることで急に上達する子もいます。
例えば、
集団では説明を理解できなかった
↓
個別にゆっくり説明
↓
動きを理解できた
↓
泳げるようになった
↓
自信がついた
↓
集団レッスンでも練習できるようになった
という流れもあります。
つまり、
「できない」のではなく「今の環境では力を発揮しにくい」
だけかもしれません。
25m泳げないことが原因で集団レッスンを嫌がっている場合は?
特に小学生になると、
「周りの子は25m泳げるのに、自分だけ泳げない」
ということを気にする子もいます。
この場合、集団そのものが嫌なのではなく、
泳げないところを見られることが嫌
なのかもしれません。
クロールで10〜20m程度まで泳げているのであれば、
- 息継ぎ
- 姿勢
- キック
- 腕の動き
- 泳ぐペース
など、特定の課題が原因で25mまで届いていない可能性があります。
その部分を集中的に練習し、
「25m泳げた」
という成功体験を作ることで、自信につながる場合があります。
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集団レッスンが苦手な子についてよくある質問
Q.スイミングスクールを毎回嫌がる場合は辞めた方がいいですか?
すぐに辞める必要はありません。
まず、水泳そのものが嫌なのか、人数・待ち時間・コーチ・練習内容など特定の理由があるのか確認してみましょう。
クラスや時間帯を変えることで改善する場合もあります。
Q.集団行動が苦手でも水泳は習えますか?
水泳を習う方法は集団レッスンだけではありません。
少人数レッスンや個人レッスンなどもあります。
本人が練習しやすい環境から始める方法もあります。
Q.スイミングで周りについていけない場合はどうすればいいですか?
まず、どの動作でつまずいているのか確認しましょう。
現在の担当コーチに「何ができれば次へ進めるのか」を聞くこともおすすめです。
課題が明確になれば、その部分だけ重点的に練習できます。
Q.個人レッスンと集団レッスンはどちらが上達しますか?
一概にどちらが上とは言えません。
長期的に水泳を習いたい場合は集団レッスン、特定の苦手を集中的に改善したい場合は個人レッスンなど、目的によって向いている方法が変わります。
Q.集団が苦手なら個人レッスンだけにした方がいいですか?
必ずしもそうではありません。
一時的に個人レッスンで苦手を克服し、自信がついたら集団へ戻る方法もあります。
本人の性格・目標・現在の泳力に合わせて考えましょう。
Q.子どもが「自分だけ泳げない」と落ち込んでいます。どう声をかければいいですか?
周りの子ではなく、以前のお子さま自身と比較することがおすすめです。
「前は5mだったけれど、今日は10m泳げたね」
「息継ぎが前よりできるようになったね」
など、具体的な成長を伝えましょう。
まとめ|集団レッスンが苦手なら「子どもに合う環境」を探してみよう
集団レッスンが苦手になる理由には、
- 周りのペースについていけない
- 待ち時間で集中が切れる
- 周りと比べて自信をなくしている
- 分からなくても質問できない
- 説明を理解しきれない
- 失敗を見られるのが恥ずかしい
- 練習内容が現在の課題に合っていない
などがあります。
大切なのは、
「集団レッスンが苦手だから、水泳に向いていない」
と考えないことです。
まずは、
なぜ嫌なのかを確認する
↓
コーチへ相談する
↓
クラスや時間帯を変えてみる
↓
必要なら少人数・個人レッスンを検討する
という順番で考えてみましょう。
集団レッスン、少人数レッスン、個人レッスンには、それぞれメリットがあります。
重要なのは「どの方法が一番良いか」ではなく、
「今のお子さまが、どの環境なら安心して練習できるか」
です。
自分に合った環境で「できた」という経験を積み重ねることが、水泳を楽しみながら上達していく第一歩になります。
